核心的な答え
やさしい順に並べると、バクチオール → レチノール → レチナールです。初めてなら低濃度のレチノールを週2~3回夜だけ使い、レチノールが負担なら代わりにバクチオールを、レチノールに十分慣れた後にはレチナールを検討しましょう。
- レチノールは活性型ビタミンAまで2段階、レチナールは1段階を経るため、レチナールの方が強めです
- バクチオールはレチノイドではない植物由来成分で、レチノールと比較した12週間の研究では刺激の訴えが少なかったです
- レチノール・レチナールを使う間は翌朝の日焼け止めが必須です
レチノール・レチナール・バクチオールはいずれもハリとキメケアに使われますが、肌への働き方と刺激の程度が異なります。SKINROUTEが、3つの成分を強さの順に比較し、自分の肌に合った出発点を選ぶ基準を整理しました。
ビタミンA系はどう働く?
肌の中で実際に働くのは活性型ビタミンAです。化粧品に使われるレチノールとレチナールは塗ったそのままの形では働かず、肌の中で段階を経てこの活性型に変わります。経る段階が多いほど働きは穏やかですが刺激も少なく、段階が少ないほど強い分、刺激も出やすくなります。
肌の中でのビタミンA変換順序
- レチニルエステル — レチノールより1段階手前、ビタミンA系の中で最もやさしい
- レチノール — 活性型まで2段階を経る入門用
- レチナール — 1段階だけを経る、レチノールより強め
- 活性型ビタミンA — 肌で実際に働く形
レチノイドと光老化を扱ったレビューは、この系統の成分が日光による老化のサインをケアするのに役立つとまとめています。レチノールが肌でする働きはレチノール入門ガイドに詳しく整理しています。
成分別の特徴
3つの成分早わかり
- バクチオール
- 植物由来、レチノールが負担なときの代替
- レチノール
- 活性型まで2段階を経る比較的やさしい入門用
- レチナール
- 1段階だけを経る強めのタイプ、レチノールに慣れた後
レチノール (Retinol)
もっとも広く使われている化粧品用ビタミンA誘導体です。働きとやさしさのバランスがよく、エイジングケアを初めて始めるときに無難です。米国皮膚科学会(AAD)は、レチノールは最初は隔日で塗り、肌が慣れるようにするよう案内しています。
レチナール (Retinal、レチンアルデヒド)
レチノールより活性型に1段階近く、レチノールより強く働く傾向があります。その分乾燥やヒリつきも出やすいので、レチノールを数週間以上快適に使った後、段階を上げるときに検討します。
バクチオール (Bakuchiol)
ビタミンA系ではない植物由来成分です。バクチオールとレチノールを12週間比較した研究では、両成分とも光老化のサインが同程度改善し、レチノールを使った側が角質やヒリつきをより多く訴えました。レチノールを試して刺激が続く場合は、代替として検討できます。
一目で比較
バクチオール vs レチノール vs レチナール
| バクチオール | レチノール | レチナール | |
|---|---|---|---|
| 成分系統 | 植物由来(レチノイドではない) | ビタミンA誘導体 | ビタミンA誘導体 |
| 活性型まで | 該当なし | 2段階 | 1段階 |
| 強さ | やさしめ | 中程度 | レチノールより強め |
| 初期の刺激 | 少なめ | 出ることがある | レチノールより出やすい |
| 塗るタイミング | 製品の案内に従う | 夜だけ | 夜だけ |
| 合う場合 | レチノールが負担なとき | 初めて始めるとき | レチノールに十分慣れた後 |
どれから始める?
初めてなら
0.1%以下の低濃度レチノールを週2~3回、夜だけ塗ることから始めます。保湿剤 → レチノール → 保湿剤の順で挟んで塗ると、初期の刺激を減らすのに役立ちます。詳しい順番はレチノールサンドイッチ法に整理しています。肌が敏感でレチノールが負担なら、バクチオールから始めても構いません。
レチノールに慣れたら
数週間、赤み・ヒリつきなくレチノールを使っていて段階を上げたいなら、レチナールを検討できます。このときも最初は回数を減らして週2~3回から再開しましょう。年齢とお悩みに応じた濃度選びは年齢・お悩み別レチノール濃度ガイドを参考にしてください。
より強い製品が必要だと感じたら
一人で判断して強さを上げ続けるより、より強いレチノイド製品が必要な場合は皮膚科専門医に相談してください。
3つの成分共通の注意点
レチノールとレチナールは光で分解されやすく、使用中は肌が日光に敏感になることがあるため、夜だけ塗り、翌朝は日焼け止めを念入りに塗る必要があります。バクチオールを使うときも、エイジングケアの基本は毎日塗る日焼け止めです。AADはエイジングケア製品を一度に一つずつ取り入れ、続けて使いながら刺激が出たら中止するよう勧めています。
ビタミンA系とバクチオール、やるべきこと・避けるべきこと
✓ やるべきこと
- レチノール・レチナールは夜だけ
- 翌朝は日焼け止め
- 新しい成分は一度に一つずつ
- 保湿剤で挟んで塗る
✕ 避けるべきこと
- 同じ夜にAHA・BHA・高濃度ビタミンCを重ねて使う
- レチノールに慣れる前にレチナールへ移る
- ヒリヒリするのに我慢して使い続ける
- 複数の成分を一度に新しく始める
妊娠中または妊娠を予定しているとき、授乳中のときは、レチノール・レチナールのようなレチノイド系製品を使う前に専門医に相談してください。バクチオールを含め、新しい成分を取り入れるときも先に相談するのが安全です。
よくある質問
レチナールはレチノールより必ず優れていますか?
そうではありません。レチナールは強めですが刺激も出やすいです。初めてならレチノールから始め、レチノールに十分慣れた後にレチナールを検討する方が安全です。
バクチオールはレチノールと同じくらい効果がありますか?
12週間比較した研究では、両成分とも光老化のサインが同程度改善し、レチノール側が角質やヒリつきをより多く訴えました。研究がまだ多くないため、レチノールが負担なときに検討する代替として見るのがよいでしょう。
バクチオールとレチノールを一緒に使ってもいいですか?
両成分を一緒に配合した製品もありますが、最初から重ねて使うと、どの成分が刺激を与えたのか分かりにくくなります。一度に一つずつ取り入れて肌の反応を確認した後、組み合わせましょう。
妊娠中はどの成分を使うべきですか?
レチノール・レチナールのようなレチノイド系は、妊娠中または妊娠を予定している場合は使う前に専門医に相談してください。バクチオールも新しく使う前に相談するのが安全です。
自分の肌に合う成分を見つける
どの成分から始めるかは、肌の敏感さと生活習慣、今使っている製品によって変わります。SKIN100肌精密分析は100項目以上の問診で生活習慣・スキンケア習慣・外部環境など8つの主要因を分析し、自分の肌に合ったケアの方向性を見つけ出します。AIコーチが結果に合わせて始める成分と塗る順番を案内します。
参考文献
- 米国皮膚科学会(AAD) — Retinoid or retinol?
- 米国皮膚科学会(AAD) — How to maximize results from anti-aging skin care products
- Mukherjee S, et al. Retinoids in the treatment of skin aging: an overview of clinical efficacy and safety. Clin Interv Aging 2006
- Dhaliwal S, et al. Prospective, randomized, double-blind assessment of topical bakuchiol and retinol for facial photoageing. Br J Dermatol 2019