核心的な答え
塗るタイプのPDRN化粧品は、皮膚科で使われるPDRNと形も目的も違うため、同じ結果を期待することはできません。化粧品に入ったPDRNは保湿と肌コンディションを整える助けになる成分と見るのが正確で、塗るタイプの効果を人で確かめた根拠はまだ限られています。
- PDRNはサーモン・トラウトの生殖細胞から得たDNAの断片を精製した成分です
- 「クリニック級」のように皮膚科と同じ効果を思わせる文言は一度立ち止まって確認しましょう
- 保湿・紫外線対策のような基本ケアの代わりにはならず、その上に加える選択肢です
最近、クリーム・アンプルの広告で「PDRN」や「サーモン成分」という言葉をよく見かけます。SKINROUTEが、PDRNがどんな成分なのか、塗るタイプの化粧品として期待できることと期待しにくいことを事実に基づいて整理しました。
PDRNとは何か
PDRN(ポリデオキシリボヌクレオチド、Polydeoxyribonucleotide)は、サーモン・トラウトの生殖細胞から得たDNAを細かく切って精製した成分です。DNAを作る基本単位であるヌクレオチドが鎖のように長くつながった構造からこの名前がつきました。成分の基本情報はPDRN(塗るタイプの成分)の百科に整理されています。
- PDRNは化粧品より先に他の分野で研究されてきた成分で、最近になって化粧品原料としても使われ始めました。
- 化粧品では主に保湿と肌コンディションを整える目的で配合されます。
- 植物から得た原料を「PDRN」という名前で前面に出す製品もあり、名前だけでは原料が何なのか分かりにくいです。
化粧品のPDRNと皮膚科で使われるPDRNは違う
同じ「PDRN」という名前を使っていても、皮膚科で使われるPDRNと化粧品に入ったPDRNは形も目的も違います。そのため、皮膚科で使われるPDRNに関する研究結果を、塗るタイプの化粧品の効果としてそのまま当てはめることはできません。PDRNの研究をまとめたレビュー(Galeano他, 2021)も化粧品ではない別の文脈の研究を扱ったもので、塗るタイプの化粧品の効果を裏づける根拠として見ることはできません。
塗るタイプの成分は肌表面の近くで働く
肌のもっとも外側にある角質層は、外部の物質が簡単に入ってこられないようにふさぐバリアです。塗るタイプの成分の多くはこの表面の近くで働き、DNAの断片のような大きな分子が塗るだけで肌の深くまで届くかどうかは、まだ確認されていることが多くありません。そのため化粧品のPDRNは、他の保湿・鎮静成分と同じように肌のキメと潤いを整えるのに役立つ可能性がある成分として理解するのが正確です。研究が積み重なれば評価が変わることもありますが、今の段階で大きな変化を期待するのは難しいです。
広告文言、こう読み分ける
PDRNのように「サーモン」「先端」というイメージが強い成分は、広告で効果が大きく見せられやすいです。米国皮膚科学会(AAD)は、エイジングケア製品を選ぶときは期待値を現実的に持つよう案内しています。PDRN化粧品も同じです。
- 「クリニック級」「皮膚科ケアを家で」: 化粧品と皮膚科で使われるPDRNは同じ線で比較できません。
- 「塗った瞬間ハリ」: 保湿で一時的に滑らかに見えることと、肌の中の変化は別です。
- 「高配合PDRN」: 配合量の数字より、全成分に原料が実際に記載されているか、自分の肌に合うテクスチャーかが先です。
似た「先端成分」であるエクソソームはエクソソーム化粧品の真実で同じ基準で確かめています。
PDRN化粧品を選ぶときのチェックポイント
PDRN化粧品を選ぶ前に確認すること
- 全成分表にPDRN原料が実際に記載されている
- サーモン由来か植物由来か原料の出どころが明らかにされている
- 香料・アルコールのように刺激になりうる成分が多くない
- 効果を決めつける誇大な文言がない
- 今使っている保湿ステップに無理なく入れられるテクスチャーである
動物性原料が気になるなら原料の出どころから確認しましょう。新しい製品は顔に塗る前に腕の内側で先にテストするのが安全です。AADはコイン大の量を1日2回、7~10日塗ってみて反応がないときに使うよう案内しています。
一緒に使うといい成分とルーティン
PDRN化粧品は保湿・鎮静ルーティンに加えるのに向いています。AADはセラミドやヒアルロン酸が入った無香料の保湿剤を選ぶよう案内していますが、PDRN製品もこうした基本の保湿の上に加える選択肢と考えればよいです。
PDRNと一緒に使う保湿・鎮静成分
- PDRN
- 保湿と肌コンディションを整える目的の成分
- ヒアルロン酸
- 水分をつかまえて潤いを保つ
- セラミド
- バリア脂質を満たして乾燥を和らげる
- パンテノール
- 鎮静と保湿
レチノール・AHA・BHAのように刺激が出ることがある成分と一緒に使うときは、同じ夜にいくつも重ねず、肌の反応を見ながら一つずつ加えましょう。どんな成分を使っていても、朝の日焼け止めが肌コンディションを整える基本です。
PDRN化粧品、やるべきこと・避けるべきこと
✓ やるべきこと
- 全成分表で原料を確認する
- 保湿ステップに一つずつ加える
- 腕の内側で先にテストする
- 朝は日焼け止めを忘れない
✕ 避けるべきこと
- 「クリニック級」という文言だけで選ぶ
- 複数の新製品を一度に始める
- ヒリつくのに我慢して使い続ける
- 日焼け止め・保湿をPDRN製品で代える
よくある質問
塗るタイプのPDRN化粧品も皮膚科で使われるPDRNと同じ効果がありますか?
同じ結果を期待するのは難しいです。名前は同じでも形と目的が違い、塗るタイプのPDRNの効果を人で確かめた根拠はまだ限られています。化粧品のPDRNは保湿と肌コンディションを整える成分として見てください。
PDRNはサーモンからしか得られませんか?
伝統的にはサーモン・トラウトの生殖細胞から得たDNAで作られます。植物から得た原料をPDRNという名前で前面に出す製品もあるので、原料の出どころが気になるなら全成分表と製品説明を一緒に確認してください。
敏感な肌でもPDRN化粧品を使ってもいいですか?
おおむね保湿目的で配合されますが、反応は人によって違います。腕の内側テストを先に行い、赤みやヒリつきが続くなら使用をやめて皮膚科専門医に相談してください。
PDRNとレチノールを一緒に使ってもいいですか?
一緒に使えます。ただしレチノールを新しく始めたなら、肌が慣れるまで他の新製品は後回しにし、一つずつ加えてどの製品が合うか確認しましょう。
エクソソームとPDRNは同じ成分ですか?
違います。エクソソームは細胞が送り出す小さな袋で、PDRNはDNAを細かく切った断片です。どちらも化粧品では保湿と肌コンディションを整える目的で使われます。
自分の肌に合う管理を見つける
新しい成分を加える前に、今のルーティンで何が足りないのかを知ることが先です。SKIN100肌精密分析は100項目以上の問診で生活習慣・スキンケア習慣・外部環境など8つの主要因を分析し、あなたの肌に合った管理の方向を見つけ出します。AIコーチが結果に合わせて保湿・鎮静成分を選ぶ基準を案内します。
参考文献
- Galeano M, et al. Polydeoxyribonucleotide: A Promising Biological Platform to Accelerate Impaired Skin Wound Healing. Pharmaceuticals (Basel) 2021
- 米国皮膚科学会(AAD) — How to select anti-aging skin care products
- 米国皮膚科学会(AAD) — How to pick the right moisturizer for your skin
- 米国皮膚科学会(AAD) — How to test skin care products