ヒアルロン酸(Hyaluronic Acid, HA)は自重の最大1000倍の水分を保持できる強力な保湿成分として知られています。肌、関節、目に自然に存在する物質でもあります。ところがヒアルロン酸を熱心に塗っているのに「かえって乾燥する」という人がいます。理由があります。
ヒアルロン酸が乾燥を引き起こす原理
ヒアルロン酸は「ヒューメクタント(Humectant)」として水分を引き寄せる成分です。塗った後に水分を吸収しますが、吸収する水分の源が重要です。
湿度が十分な環境:空気中の水分を肌表面へ引き寄せて保湿効果
乾燥した環境(室内の冷暖房、冬):空気中の水分が不足するとヒアルロン酸が真皮側の水分を引き上げる→表面は保湿されるが深部の水分が抜け出てかえって長期的に乾燥する
ヒアルロン酸を効果的に使う方法
原則1:濡れた肌に塗る
洗顔後、水気を完全に取らない状態(少ししっとりした状態)でヒアルロン酸セラムを塗ります。肌表面の残留水分を活用してより効果的に吸収されます。
原則2:オクルーシブで覆う
ヒアルロン酸の上に必ずクリームまたはオイル系保湿剤を重ね塗りして水分が蒸発しないよう「ロック」します。ヒアルロン酸だけ単独で塗って終わると乾燥した環境で逆効果になります。
原則3:分子量の確認
- 高分子(High MW)HA:肌表面のフィルム形成、即時の保湿感
- 低分子(Low MW)HA:表皮内に浸透可能、深い保湿
- 超低分子(Hydrolyzed HA):真皮浸透の可能性、ハリ改善の補助
この3つを混合した製品が層位別の保湿にもっとも効果的です。
ヒアルロン酸の形態
ヒアルロン酸(Hyaluronic Acid / Sodium Hyaluronate)
ソジウムヒアルロネート(Sodium Hyaluronate)はHAの塩の形で、水溶液でより安定的で吸収が良いです。製品成分表でもっともよく見られる形態です。
ヒアルロニックアシッドクロスポリマー(HA Crosspolymer)
分子構造を強化してより長く肌に留まる形態です。
ヒアルロン酸セラムを選ぶ際の確認事項
- 成分表の上位にSodium HyaluronateまたはHyaluronic Acidがあるか
- 分子量の異なる2種類以上のHAが含まれていればより効果的
- 不要な香料、アルコールがないか
- 適切な補助成分(パンテノール、グリセリン、アラントインなど)が一緒にあれば保湿の相乗効果
ヒアルロン酸 vs グリセリン
ヒアルロン酸とグリセリンはどちらも「ヒューメクタント」系ですが、グリセリンが価格対効果でより良いという研究もあります。ただしグリセリンは濃度が高いと(50%以上)かえって肌から水分を奪うことがあるため、製品では適切な濃度で配合されます。2つの成分を一緒に使うと互いに補完します。
ヒアルロン酸は正しく使えばすべての肌タイプに優れた保湿効果を与える成分です。核心は「塗った後にオクルーシブで水分を閉じ込めること」です。